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「夢に遅刻はない。」

40代。福岡で子育てと仕事に追われていた日々の中、消えなかった「浪曲師になりたい」という夢。誰に言っても笑われた。でも本人は本気だった。

──人生に遅刻はない。

ただ、乗り込むタイミングが違うだけだ。

天中軒かおり

スペシャルインタビュー

【Profile】

■出身地:福岡県福岡市

■師匠:五代目・天中軒雲月

■入門のきっかけ:

師匠の、全身全霊を注ぐ舞台の芸に感銘を受けたのと、浪曲に対する思いとお人柄に惚れ込み入門を決意。

■入門:令和5年6月30日

初舞台:令和6年1月21日浅草木馬亭にて

木馬亭初出演:令和6年2月2日

1. 幼少期のことを教えてください。

かおり)実家は熊本県荒尾市にあります。荒尾は明治の浪曲師であり革命家でもあった宮崎滔天さんの故郷でもありますが、まだその頃は「浪曲」という芸を知らないで、でも子どもの頃から演歌が大好きで家にカラオケがあり小学生の頃からコブシはまわしておりました。

 

2. 福岡市での暮らしと浪曲への想いはどのように続いていたのでしょうか?

かおり)今は単身赴任中ですが私の家は福岡市早良区にあります。若いころは西鉄に勤めて、子育て中はイオンモール伊都のセレクトショップで店長をしていました。今思えば西鉄バスのバスガイド時代に習った「刃傷松の廊下」がきっかけで「浪曲」を知りましたが、歌の間にセリフがあってかっこいい!昔から演歌が好きでしたので、浪曲は私にぴったりだ!という思いがありました。東京、大阪の舞台情報を調べたり、動画を見たりしながら浪曲師になりたいな~と夢を膨らませていました。

 

3. 周囲にはその夢を話していましたか?

かおり)はい。家族にも友人にも職場でも「浪曲師になりたいんだー」とよく話していました(笑)。でも現実には、浪曲の修業は東京か大阪でないとできませんし、悔しいな~と思っていました(笑)

 

4. アマチュア時代に東京で口演していたそうですね。

かおり)はい。コロナ前に東京、浅草の木馬亭で年末に第忘年会が開催されており、そのころにはSNSを通じて浪曲仲間がたくさんいましたので、お世話になり、口演させていただきました。

なので、木馬亭の初舞台は2018年です(笑)

 

5. 上京を決意したのはいつ、どんなきっかけでしたか?

かおり)いつかは上京してみたいと夢はみていましたが、実際に行動にうつすのはとても勇気がいりました。でも、九州プロレスを見ていた時に筑前りょう太理事長が「上京」というワードを掲げていて、プロレスからはどんに辛くても頑張れる勇気をもらっていたので私も「上京」しようと思いました。息子が社会人になってしばらくして(様子をみて)自分の年齢も考えたときに上京を考えました。

 

6. 上京後すぐに師匠と出会ったのですか?

かおり)しばらくは関東で(経済的に)生活ができるか心配でしたので、アルバイトをしておりました。半年くらいして師匠 雲月の舞台を見にいった時に、またいつもの浪曲仲間に誘われて打ち上げに参加させていただき、その帰りに雲月先生に入門を志願いたしました。田原町の信号のところで(笑)

 

7. 入門はいつですか?

かおり)令和5年6月30日に入門が許されました。

 

8. 師匠はどんな存在ですか?

かおり)芸にはとても厳しい先生で「舞台は戦場」といつもおっしゃっています。でしが舞台を降りると優しい先生で芸の上で母ですが、本当にお母さんのような存在です。

趣味が同じ大衆演劇なのですが、一緒に木馬亭2階の木馬館によく連れていっていただきます。

お芝居で気づいた事に質問をすると「虎造先生の浪曲にもあるよ」といきなり節を唸ってくださったり、弟子冥利に尽きます。

 

9. 初舞台は?

かおり)令和6年1月21日、浅草木馬亭で「若き日の小村寿太郎」です。舞台の着物を先生に作っていただきました。口上が嬉しく、ちょっと泣きました。

 

10. 木馬亭定席初出演は?

かおり)令和6年2月2日でした。木馬亭は出演するにあたり事前にテストがあって、協会員(浪曲師、曲師)が客席に座って、舞台にあがり口演するのですが、めちゃめちゃ緊張しますよ(笑)

 

11. 印象的な演目は?

かおり)頂いたお外題(演目)は全部好きですが、相撲好きなので「琴櫻」。福岡ゆかりの「名槍日本号と黒田節」は特に好きです。もっともっと磨いてまいります。

 

12. 稽古で大切にしていることは?

かおり)師匠からはとにかく音程と間を厳しく指導されます。浪曲は節が命。私は師匠みたいに、ひと声で「いい声だ」と思ってもらえる声を目指していますが、これは一生かけても難しいかもしれませんが挑戦です。

 

13. 上京後の生活の変化は?

かおり)めちゃめちゃ忙しいです。縁もゆかりもない土地に引っ越してきましたが、なんとかなっています。師匠 雲月のもとで浪曲を勉強するということは、東京、関西で浪曲を勉強するという事なので、とにかく忙しいのですが、充実しています。先生のおかげです。

もっとプロレスや相撲も見に行ける!と思っていましたが、忙しいです。年季明けしたらたくさん見に行きます(笑)

 

14. 将来の目標は?

かおり)九州でも浪曲聞くお客様が増えてくださるよう頑張ります。

 

15. 最後に福岡初口演への意気込みとメッセージを。

かおり)素直に、めちゃめちゃ嬉しいです! 私が憧れた浪曲を、ぜひ観に来てハマってください。どうぞ成長を見守ってくださいませ。ありがとうございました。

©合同会社ベレーザ

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